日本語学校 日本語教師より

文化的背景の違いが…

こんにちは。教務担当の藤田です。

何度か同じ課を教えていると、なぜか学生がよく間違える問題が出てきます。

たとえば、気温と降水量のグラフを見て、「~ほど~ない」という文法を使って例文を作る練習があります。
「12月は2月ほど寒くない」「8月は9月ほど雨が多くない」のような例文です。


この例文作成、どのクラスでもうまく作れない学生が出てくるんです。

そんなときには、もう一度「~ほど~ない」の文法説明をし、「弟は兄ほど背が高くないです」などの例文が作れるようになってから再チャレンジさせていました。
しかし、やっぱりうまく作れない!
彼らは語彙も文法も理解しているのにどうして?と頭を抱えていたところ、1人の学生がこう言ってくれました。

「先生、私は今まで一度もグラフについて習ったことがありません
実は、彼らはグラフが読めなかったんです。

左には気温の目盛り、右には降水量の目盛り。そこに書いてある数字は読める。気温という言葉も、降水量という言葉もわかる。でも、折れ線グラフと棒グラフから、どうやって12月の気温と降水量を読めばいいかわからない。

日本語以外のところでひっかかっていたわけですね。原因がわかってからは、私もうまく対応できるようになりました。

問題だったのは、当然知っているはずという私の思い込みでした。「常識」や「普通」は時代や国など環境によってちがうと理解していたつもりでしたが、改めて実感しました。

ひまわり日本語学院では、日本語だけでなく日本の生活やマナー、文化についても教えています。自国との違いも含め、一つでも多く吸収し、日本での生活に役立ててくれることを願っています。

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